SRBG2008 Riot Gun(2008年製)

ハンター工業の2008年最初の作品は、派手なアクションを求めたSRBG2008 Riot Gun。
ブローバックモデルの愛好家の集まりでの発表と2008年のステージガンとして開発された。


銃身の直径は20mmで12番のショットガンとほぼ同じ外径だが、口径は410番散弾程度に細い。
トリガーは丈夫なケヤキ材。これも頑丈なアルミのトリガーガードに守られている。


ぶら下げて持つのにも好都合な釣り針型のグリップは、どんなポジションでも構え易い。


ピンやネジまで入れると50余り部品になるが、木製のパーツが多く加工作業は難しくない。


メインフレームは、真鍮ピン5本とたった1本の建具用木ネジで止められており、分解は簡単。


このモデルの心臓部とも言えるポンプ部は丈夫なアルミ材と軽量なブナ材のフォアグリップ。


ブナの筒材を使った銃身部は、フォアグリップ内部の牽引バネでポンプと接続される。


正面からメインフレームに差し込まれ、2本のピンで固定されることで、ポンプの牽引の基部に
なっていると共に前進の制御の役割を兼ねている。


発射装置の部品の構成をみるとやや複雑そうだが、実際にはリリーサの後退(赤の矢印)の機能。
このリリーサに空薬莢の開口部をくわえることでオーバンドの力による射出を抑えている。


写真左は、射出の瞬間。銃身先端からオーバンドで引っ張られた空薬莢は、上方向の矢印の様に
飛び出しながら、オーバンドを解放する。写真右は2発目の装填の途上。ポンプに押されて後退す
る空薬莢により、薬莢ホールド部品は下方向に押し下げられ、通り道を阻害しない。


2発目がリリーサにくわえられた瞬間、薬莢ホールドはバネの力で上方に跳ね上がり、薬莢底部を
がっちり押さえ込む。これを解除するには、トリガーガード前方に突き出た解除レバーを操作。


上部カバー(画面のピンクの部分)を外した状態で薬室を見たところ。2発目を装填する作業中に
射出させない為に真鍮の板が空薬莢を押さえ込む構造になっている(写真左)。上部カバーは、左
右の長さを微妙に変えることで、空薬莢の射出方向を制御している。この位置が絶妙。


ゴム切れなどで、空薬莢の排出が必要な場合は、レバーを後方に倒してホールドを解除する。


ポンピングを待つ2発目。オーバンドの力で常に内部に押し付けられており、非常に安定している。
写真右は2発とも装填したところ。発射と同時に空薬莢は銃の右方向に放物線を描いて射出される。


ポンプ底部は12mm厚のカツラ材。グリップは8mmのホオ材の3枚構造。


本物の散弾銃の空薬莢。重さのある重量装弾の薬莢が飛びすぎず好適。使用前の2と3/4にカット。


切り揃えた薬莢にオーバンドのホールド部の刻みをつける。こんな風に装填。


薬莢を射出することには何の必然性もないが、この銃でオーバンドを発射するには薬莢が必須。
なんとも意味不明な構造ではあるが、とにかく撃ってみると楽しい。ライアットガンらしく、散弾
を発射したかったが、16番は思いのほかパワーがあり、1発で充分薬莢を飛ばす。装弾数もせめて
3発にしたかったが、ポンプのストロークが倍になり、オーバンドの伸びの限界との関係で、2発で
妥協した。この路線で次を作る時は数発は装填したいものだ・・・。


百聞は一見にしかず。Riot Gunの魅力を動画で観てみよう。

発射の機構をGIFアニメにしてみた。

名称:SRBG2008 Riot Gun
全長:535mm  銃身長:355mm  全高:140mm  全幅:45mm  重量:445g
材料:ナラ、ケヤキ、アガチス、ホウ、カツラ、真鍮ピン3mm径,2mm径、建具用木ネジ
   ステンレススプリング、真鍮板、アルミステー
仕上げ:オイルステイン、水性着色ニス
適合装弾:オーバンドカラー16番 装弾数2発  適合薬莢:12番ゲージ(約11g)
     2と3/4インチ散弾空薬莢・レミントンRXP Express Long Range推奨
中村光児(東京都)